第一種と第二種衛生管理者の違い|選任できる業種と選び方

第一種と第二種衛生管理者の違いを、選任できる業種と試験の範囲から比べる記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が安全衛生技術試験協会・厚生労働省などの公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験料・法令は改正・変更されることがあるため、最新の情報は安全衛生技術試験協会のサイトなどで確認してください。

会社から衛生管理者の資格を取るよう言われて、第一種と第二種のどちらを受ければいいのか迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、第一種と第二種衛生管理者の違いは「衛生管理者になれる業種の広さ」です。オフィスやお店が中心の職場なら第二種で足り、製造業や建設業、運送業、医療業などの職場では第一種などが要ります。

この記事を読むと、違いを3つの点で比べた表と、自分がどちらを受けるかの決め方が分かります。

目次

第一種と第二種衛生管理者の違いを3点で比べる

先に結論

いちばん大きな違いは選任できる業種です。試験では、第一種は有害業務に関する問題が加わるぶん問題数が多く、第二種は有害業務を除いた範囲だけが出ます。

『1級と2級みたいに、第一種のほうがレベルの高い資格なの?』と思う方もいますよね。

実は、第一種と第二種は「難しさの段階」というより「担当できる範囲の違い」と考えたほうが分かりやすいんです。第一種はすべての業種、第二種は一定の業種の職場で衛生管理者になれます。

比べる点第一種衛生管理者第二種衛生管理者
選任できる業種すべての業種の事業場情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種の事業場
試験科目関係法令・労働衛生(どちらも有害業務を含む)、労働生理関係法令・労働衛生(どちらも有害業務を除く)、労働生理
問題数44問30問
試験時間3時間3時間
令和7年度の合格率46.8%48.7%
令和6年度の合格率46.3%49.8%
第一種と第二種衛生管理者の違いを、選任できる業種・試験科目と問題数・合格率の3点で並べた比較の図解

違い1. 選任できる業種

労働安全衛生規則第7条では、第一種などの免許が必要な業種が決められています。農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業、清掃業です。

これ以外の業種なら、第一種・第二種・衛生工学衛生管理者のどの免許でも選べます。第二種で衛生管理者になれるのは、この「その他の業種」だけなんです。

安全衛生技術試験協会の紹介では、第二種は「有害業務と関連の少ない」業種で衛生管理者になれる免許とされています。工場や建設現場のように、有害業務と関わる場面が多い職場では第一種などが求められる、と考えると覚えやすいですよ。

同じ会社の中でも、事業場ごとに業種が違うことがあります。例えば、本社はオフィスで第二種でよくても、別の場所にある工場は第一種などが必要、ということも考えられます。

違い2. 試験科目と問題数

第二種の試験は、関係法令・労働衛生・労働生理が10問ずつの計30問です。関係法令と労働衛生は、有害業務に係るものを除いた範囲から出ます。

第一種は、関係法令と労働衛生がそれぞれ有害業務10問と有害業務以外7問の17問ずつになり、労働生理10問を足して計44問です。

『有害業務の問題って、どんなもの?』と気になりますよね。第二種ではここが出ないぶん、オフィスやお店の職場で関わる内容が中心になります。

例えば第二種の公表試験問題では、関係法令で衛生委員会や定期健康診断、産業医、年次有給休暇の付与日数などがテーマになっています。労働衛生では、必要換気量や腰痛予防対策指針、一次救命処置、食中毒などです。

科目第一種第二種
関係法令有害業務10問(80点)+有害業務以外7問(70点)有害業務を除く10問(100点)
労働衛生有害業務10問(80点)+有害業務以外7問(70点)有害業務を除く10問(100点)
労働生理10問(100点)10問(100点)

違い3. 合格率

令和7年度の合格率は、第一種が46.8%、第二種が48.7%でした。令和6年度も第一種46.3%、第二種49.8%で、直近2年度はどちらも5割弱です。

受験者の数で見ると、令和7年度は第一種が66,401人、第二種が40,653人でした。第一種を受ける人のほうが多いものの、第二種も毎年4万人前後が受けている試験です。

合格率の差は小さいので、『どちらが受かりやすいか』で選ぶより、自分の職場で使えるかで選ぶほうが後悔しにくいですよ。

合格基準は共通

どちらも、科目ごとの得点が40%以上で、合計が60%以上なら合格です。合計点が足りていても、1科目でも40%に届かないと不合格になります。

どちらを受ける?勤め先の業種から決める手順

ここが大事なところです

どちらを受けるかは、難しさより先に「衛生管理者になる事業場の業種」で決めます。第二種で足りる職場なのに第一種を受ける必要はありませんし、その逆では選任に使えません。

『会社からは「衛生管理者を取って」としか言われていない』という方も多いですよね。そんな時は、次の手順で確かめてみてください。

どちらを受けるか決める手順
  1. 自分が衛生管理者になる予定の事業場がどこかを確かめる
  2. その事業場の業種が、第一種などが必要な業種に入るかを見る
  3. 入っていれば第一種、入っていなければ第二種でもよい
  4. 将来、工場や物流の現場に異動する可能性があるかを考える
  5. 迷う時は「どの事業場の、どの免許が必要か」を会社の担当者に聞く

場面別の判定表

例えば、こんな場面で考えてみましょう。自分の勤め先や将来の働き方に近い行を探してみてください。

場面業種の区分受ける試験の目安
IT企業の本社で総務をしている情報通信業第二種でよい
銀行や保険会社の支店で働いている金融・保険業第二種でよい
スーパーやお店の事務所で働いている卸売・小売業第二種でよい
食品や部品の工場で働いている製造業第一種などが必要
運送会社や病院で働いている運送業・医療業第一種などが必要
今は本社勤務だが、工場への異動もありえる異動先によって変わる第一種も検討する

上司に聞く時は、「私が衛生管理者になるのは本社ですか、工場ですか」と確かめるのが近道です。

例えば、こんなやりとりをしておくと、あとで受け直す手間を防げます。

「衛生管理者の資格、第一種と第二種のどちらを取ればいいですか」
「本社の衛生管理者をお願いしたいので、第二種で大丈夫です」

返事が「とりあえず取って」だけだった時は、事業場と業種をもう一度聞いてみてください。

将来の異動も考えておく

今の職場は第二種で足りても、数年後に工場や物流の拠点へ異動する可能性がある方もいますよね。その場合は、第二種を取ったあとで特例第一種に進む道を残しておくと安心です。

反対に、ずっとオフィス勤務の予定なら、第二種で十分に役目を果たせます。

今の職場と、これからの働き方の両方から考えてみてください。業種と人数のルールは衛生管理者の選任義務でも紹介しています。

よくある失敗

「第一種のほうが上だから」と、第二種で足りる職場なのに第一種を選んでしまうケースがあります。範囲が広いぶん勉強量は増えるので、まずは自分の職場で必要な免許から確かめてみてください。

第二種のあとに特例第一種で上を目指すルート

先に結論

第二種の免許を持っている人は、特例第一種として第一種を受けられます。試験は有害業務に限った労働衛生と関係法令の20問で、2時間です。

『最初から第一種を受けるか、第二種から段階を踏むか、どっちがいいの?』という悩みもよく聞きます。

結論から言うと、どちらにも向く人がいます。第二種に合格したあとで特例第一種を受けると、2回目の試験は有害業務の内容に絞られるのが特徴です。

第二種に合格してから特例第一種を受けるルートと、最初から第一種を受けるルートを並べて比べた図解
項目最初から第一種第二種のあと特例第一種
受ける試験第一種(44問・3時間)第二種(30問・3時間)のあと、特例第一種(20問・2時間)
特例第一種の出題なし労働衛生(有害業務に限る)10問、関係法令(有害業務に限る)10問
申請の書類受験資格の書類特例第一種は第二種の免許証の写しを添付(受験資格の書類は不要)
試験手数料1回分2回分

第二種から始めるのが合う人

今の職場では第二種で足りるけれど、いずれ第一種も取りたいという方です。まず第二種で衛生管理者として選ばれる条件をそろえ、あとから有害業務の範囲を足していけます。

最初から第一種が合う人

勤め先が製造業や運送業など、第一種などが必要な業種の方です。第二種の免許では選任に使えないので、はじめから第一種を受けるほうが回り道になりません。

特例第一種を受けるまでの順番

特例第一種の申請には、第二種の免許証の写しが要ります。つまり、第二種に合格しただけではなく、免許を申請して免許証が届いてから申し込む流れです。

特例第一種を受ける前に確かめること
  • 第二種の免許試験合格通知書が届いている
  • 東京労働局免許証発行センターに免許を申請した
  • 郵送で第二種の免許証が届いた
  • 免許証の写しを用意して、特例第一種を申し込む

免許証は郵送だけで、即日の交付はありません。第一種まで早めにそろえたい方は、第二種の合格後すぐに免許申請を進めておくといいですね。

試験の手数料は1回8,800円で、特例第一種を受けると2回分かかります。受験料は変わることがあるので、最新は安全衛生技術試験協会の案内で確認してみてください。

独学か講座か、学び方も考えておく

どちらのルートでも、テキストと公表試験問題で独学する人は多いです。ただ、仕事と並行して計画を立てるのが不安なら、講座を使う方法もあります。

第二種衛生管理者ドットコム

講座を使って効率よく合格を目指したい方へ

第二種衛生管理者試験は、科目ごとに40%以上・合計60%以上が合格の条件です。法令の数字や人体の仕組みでつまずく人も少なくありません。独学で進めるか、通信講座や講習会で質問や模試の機会を得ながら学ぶか。講座の種類と比べ方、資料請求で確かめたい点をまとめました。

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試験の日程・受験料は安全衛生技術試験協会の案内で最新情報を確認してください。

よくある相談

この章について

第一種と第二種の違いについて、受験を考えている方から寄せられやすい相談を要約して答えています。

相談1. 第一種と第二種を続けて受けたい。第一種の勉強で第二種もカバーできる?

第二種の出題範囲は、第一種のうち有害業務以外の部分と労働生理です。範囲の多くは重なっているので、第一種の勉強は第二種にも役立ちます。

ただ、問題数と配点は違います。第二種は各科目10問の100点満点なので、本番の形に慣れるために第二種の公表試験問題も解いておくと安心です。

相談2. 1級と2級のように「難しさの違い」と考えていい?

難しさの段階というより、担当できる業種の違いと考えるほうが近いです。第一種は有害業務の問題があるぶん範囲は広いですが、合格率は直近2年度でどちらも5割弱でした。

『第一種のほうが上だから、評価されるのも第一種だけ?』と心配する声もあります。ただ、オフィス中心の職場なら第二種の免許で衛生管理者になれるので、その職場では第二種で役目を十分に果たせます。

相談3. まず第二種から受けて特例第一種に進むか、最初から第一種か

今の職場で第二種で足りるなら、まず第二種から受けると選任に間に合わせやすくなります。勤め先が第一種などの必要な業種なら、最初から第一種を受けるのが近道です。

第二種そのものの基本は第二種衛生管理者とはで紹介しています。

よくある質問

第一種と第二種衛生管理者の違いは何ですか?

衛生管理者になれる業種の範囲が違います。第一種はすべての業種、第二種は情報通信業や金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種の事業場で衛生管理者になれます。

第二種の免許で工場の衛生管理者になれますか?

製造業(物の加工業を含む)は第一種などの免許が必要な業種なので、第二種の免許では選任できません。

試験の問題数はどれくらい違いますか?

第二種は3科目10問ずつの30問、第一種は関係法令と労働衛生が17問ずつ、労働生理10問の計44問です。試験時間はどちらも3時間です。

特例第一種の試験はどんな内容ですか?

第二種の免許を持っている人が受ける試験で、労働衛生と関係法令の有害業務に限った問題が10問ずつ、試験時間は2時間です。申請には第二種の免許証の写しを付けます。

第一種と第二種で、合格基準は違いますか?Q: 第二種を持っていても、第一種を取り直す必要はありますか?

衛生管理者になる事業場が第二種で足りる業種なら、取り直す必要はありません。第一種などが必要な業種の衛生管理者になる時は、特例第一種などで第一種の免許を取ります。

第一種と第二種で、合格基準は違いますか?

どちらも同じで、科目ごとの得点が40%以上、かつ合計が60%以上なら合格です。1科目でも40%に届かないと、合計が足りていても不合格になります。

まとめ

この記事の要点
  • 第一種と第二種衛生管理者の違いは、衛生管理者になれる業種の範囲
  • 第一種はすべての業種、第二種は情報通信業や金融・保険業、卸売・小売業などの業種
  • 試験は第一種が44問、第二種が30問で、合格率は直近2年度でどちらも5割弱
  • どちらを受けるかは、衛生管理者になる事業場の業種から決める
  • 第二種のあとに特例第一種(20問・2時間)で第一種を目指すルートもある
第二種衛生管理者ドットコム

第二種衛生管理者ドットコム 編集部

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